ヘロンの公式+ 三角形内接円の半径

1. まず三角形の3辺の長さがわかれば、ヘロンの公式により、その三角形の面積が求まる。

2. 求めた三角形の面積と、その三角形の3辺の長さを利用してその三角形の内接円の半径を求める。

 

◯ヘロンの公式

1. s = (a+ b + c) / 2 を求める。

ちなみに、このスモールsは、半周長と言う名前がついている。

2. S =√ s(s-a)(s-b)(s-c)  を計算することにより、ラージS、つまり三角形の面積Sがもとまる。

 

◯三角形内接円の半径の公式

これは公式そのままで、

r = (2S) / (a + b + c)

で、三角形内接円rの半径が求まる。

 

※こういうのは、忘れた頃に思いがけつ出会うと少し感動するものだ。

 

ちなみに、こういうレベルのもう少し面白い公式も紹介しよう。

 

直角三角形で、
底辺 + 高さ - 2 × 内接円の半径 =斜辺

(x + y - 2 × r = 斜辺)
という公式もある。

これは普通の公立中学校などでは習わないのではないか。塾に行っている受験生なら知っているかもしれないが、本来の意義は、丸暗記することではなくどのようにすればこのような公式が導出できるかが多分試験には問われるのだろうな。

 

◯ちなみに余談だが、ヘロンの公式はバリエーションがいくつかある。

1. まずは三角形ではなく四角形のバージョンのヘロンの公式に似た、中世インドの天才数学者の、ブラフマグプタの公式というのも、四角形の4辺の長さがわかるだけでその四角形の面積が求める公式である。ただしこの公式には条件があり、この四角形は円に内接する四角形でなければ公式は成り立たないと言うことだ。

 

2. 次に、三角形ではなく、四面体のバージョンのヘロンの公式に似たものもある。これは一松先生の本に書いてあった。

先生の本は、多岐にわたるため、どの本のどこの部分に書いてあったかは忘れてしまったが、そのような公式の拡張の仕方もあるんだなぁと感心した覚えがある。

 

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ブラフマグプタは7世紀の人。インド、ウッジャイニーの天文台長。優れたシッダーンタ(インドの天文学書のこと) を著し、後世に多大なる影響を与えた。(0記法の導入など多岐にわたる)12世期のバースカラⅡ世も注釈書やシッダーンタを書き、内容を更に発展させる。ペル方程式の解法など。

これらのシッダーンタを、時はアッバース朝第2代目カリフ、マンスールが翻訳を奨励し、その後イスラーム代数学が華開くのだ。シッダーンタはアラビア語でシンドヒンドと名を変えていた。